MBAホルダーがものすごい勢いで起業する日記

メガベンチャーのマネージャー。現在起業準備中。起業するまでの軌跡を全て残します。

サイバーダインの山海社長の講演を聞いた

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サイバーダインの山海社長の講演を聞く機会があった。サイバーダインはロボットスーツを作ってる会社。例えば足を動かしたいと考えた時に、脳から微弱な電流として足に動けって指示が行くわけだけど、サイバーダインはその微弱な電流を拾って、ロボットの足を動かす技術を持っている。

このスーツを事故や病気で足が動かなくなった人が着用してリハビリすると、足を動かそうと思うと、ロボットが足の動きを補助してくれる。これを繰り返すと神経回路が回復するので、足が動くようになる。

その他にも介護者や労働者用のパワードスーツを作ってたりする。

今年マザーズに上場したし、ロボットスーツが保険適用されたとかニュースにもなってたし、一瞬株を買ったことがあったので馴染みのある会社だった。

が、山海社長の話を聞いたことはあんまりなかった。

ちなみに、映画好きな私としては、サイバーダインと聞くとターミネーターを思い出して、社長も映画が好きで名付けたんだと思ってたけど、実はターミネーターとは関係ないらしい。

バックキャストで考える

講演の中で一番印象に残ったことはバックキャストで考えることの重要性。バックキャストっていうのは「あるべき将来を考えて、それに到達するために何が必要かを今考えること」らしい。

孫社長とかこういう考え方だよね。インターネットの黎明期にデジタル情報革命が起きる未来を考えて、ソフトの卸売事業からADSL事業に移行するとか、モバイルインターネットの時代が来るからボーダフォンを買収して携帯事業に参入して、今はIOTで全てが繋がる将来に向けてそのコアテクノロジーを握っているARMを買収する。

三木谷社長も楽天を起業した時に、人々がインターネットで買い物をする未来を見ていたなんて話も読んだことがある。

山海社長も同じように、ロボットが人の生活に入り込んで人の手助けをすることでみんながハッピーになれる未来を描いて、それに向けて着実に研究・開発・事業化を進めてきた。

山海社長が描く未来は革新的研究開発推進プログラム ImPACT: 研究開発プログラム: 山海 嘉之PMに詳しく載ってるのでどうぞ。

講演で、サイバーダインのスーツを使って体が動くようになった人の動画を流していた。その中で腕が動かない子供が、スーツを使うことで腕を動かせるようになったシーンがあった。子供は腕を動かすことができて、嬉しくてキャッキャッて笑っていた。この笑い声を聞いて不覚にも涙が出そうになった。

仕事ってこういう誰かの笑い声を聞くためにやるんだよなって、根本的なことを教えてくれた気がした。

講演を聞いて

自分のことを思い返すと目先のことしか考えて将来のビジョンを忘れていることに気がついた。

半分起業して会社を軌道に乗せようとしていると、目先にどうやってお金を稼いで自分と会社が生きていくかばかり考えるようになってしまう。でも、それじゃただのお金儲けでビジネスではないんだろうな。

自分が思い描くみんながハッピーになれる未来像があって、それを実現するために今このサービスや商品をお客さんに提供してお金をもらってるんだ、と言うことをもう一度考え直そうと思った。

ちょうど事業計画書を書いているので、バックキャストを使って、思い描く未来のことを書こうと思う。

ケーススタディーとしての面白さ

サイバーダインのすごいところは筑波大学発のテクノロジーってところもそうなんだけど、事業化のうまさもあると思う。いい技術が事業化できないってところが日本の課題だけど、このケースは見事にクリアしている。

一番のポイントはスーツを医療機器として保険適用まで持って行ったこと。これによって、規模の経済が効かないため、どうしてもコストが高くなってしまう、上市直後の問題をクリアすることができた。

保険を適用させるためには、ある規格に適合していることが必要なんだけど、今までになかった分野だから規格もない。役所が規格を作るのを待ってても時間がかかるから、サイバーダインはISOに入ってロボット医療機器の分野の規格を作る側に回って、自分で規格を作ってしまった。

MBAホルダーとしては、これをビジネススクールのケースに使うと面白いだろうなと考えながら聞いていたら、すでにハーバードビジネススクールがケースにしてるらしい。さすが、HBS。

日本の事例で、しかも筑波大学発のベンチャーなんだから、筑波大学ビジネススクールが最初に研究して欲しかったぜ。



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