MBAホルダーがものすごい勢いで起業する日記

メガベンチャーのマネージャー。現在起業準備中。起業するまでの軌跡を全て残します。

ポジティブ心理学の勉強 オプションBでレジリエンスを学ぶ 第7章

【第7章 レジリエントな子供を育てる】

​この章では子供のレジリエンスについて書かれています。サンドバーグさんには5歳と7歳の子供がいました。急に夫が亡くなって動揺している所に、自分たちの幼い子供にお父さんとはもう二度と会えないんだよってことを伝えなければいけないことになりました。

この時のサンドバーグさんの気持ちも子供の気持ちも想像するしかできませんが、地獄のような瞬間だったと思います。

私は学生時代に父親を亡くしましたが、なくなるまで時間があったので徐々に諦めて行く時間がありました。それはそれで地獄のような苦しさでしたが、ちゃんとお別れを言って、自分が家族を支えて行くんだという決意ができたので良かったと思います。

サンドバーグさん一家の場合は突然なので、悲しさとかあんなことしたかったのにという後悔の念や、これからの長い人生で父親がいないという寂しさは計り知れません。

また若い頃親を亡くした人あるあるだと思いますが、他人が親と仲良くしているのとか、親のことを悪く言ってるのとか、そんな光景を見たり、話を聞いたりするだけで、悲しさとか羨ましさとかでいたたまれなくなります。こんな瞬間が数10年続きます。
ですので親を亡くした子供のケアというのは十分になさる必要があります。発達途中の子供なので、その方法は大人とは少し違ってきます。
一つの方法としてリフレーミングが紹介されています。リフレーミングとは、一つの物事を別の角度から捉え直すことです。

リフレーミング - Wikipedia

たとえば、障害を持つ子供に、父親が障害をマイナスなことではなくて、個性とか特技のように考えるようにリフレーミングして、子供が立派に成長できた例が書かれています。

子供のレジリエンスを高める方法として、次の4つの信念の重要性が書かれています。

①自分の人生は自分である程度コントロールできる
②失敗から学ぶことができる
③自分は一人の人間として大切な存在である
④自分のために役立て、他人と分かち合うことができる強みが自分にはある

①自分の人生は自分である程度コントロールできる

性的虐待を受けて自分の力では環境を変えられないと思っている子供たちを支援している人の話が書かれています。このような子供たちは自分のトラウマのせいで幸福になれないと思っていますが、自分に選択肢があると気づくことで大きく未来が開けます。

たとえば、この状況を抜け出すためには教育を受けて自分で生きて行く道を開くことができる、とわかると学校に入ることが目標になり、それを実現するために一歩ずつ勉強することが必要だとわかり、今までとは全く違う道を歩み始めます。

②失敗から学ぶことができる

心理学者のキャロル・ドゥエックの理論が紹介されています。

www.positivepsych.jp


「成長のマインドセット」を持つ子供と「固定的なマインドセット」を持つ子供を比較すると前者の方がレジリエンスが高いですよという理論です。「成長のマインドセット」とは、能力は伸ばせるものだという考え方、「固定的なマインドセット」とは能力は生まれつき備わっているので変わらないという考え方。

ドラゴンボールで言うと、前者は悟空で後者はベジータです。悟空は修行で強くなれると思っているので、毎回強い敵が出てくるたびに最初は負けますが、頑張って修行して強くなります。一方ベジータは強さは生まれつきのものなので、変わるわけないと思っています。なので自分より才能のあるフリーザには歯向かおうともしませんし、自分より才能のない出来損ないのサイヤ人悟空には勝てると思っています。結果は、悟空はベジータよりも先にスーパーサイヤ人になりますし、フリーザーを倒すことができました。

悟空のようなマインドセットを持つように子供を育てることが重要です。そのためには、子供を褒めるときに気をつける必要があります。テストの点がよかったら「すごいね」と褒めるのではなく、「よく頑張ったね」と褒めてあげる必要があります。「すごいね」は才能を褒めています、「頑張ったね」は努力を褒めています。努力で褒めることが大切です。

③自分は一人の人間として大切な存在である

3つ目に大事なのは、「自分のことを気にかけ、大切に思い、信頼してくれる人がいる」と言う理解することです。多くの親はこれを当たり前に伝えています。

しかし、このような認識を与えてもらえない子供たちもいます。

私は自分が父親を学生時代になくした経験があるので、社会人になってから親を亡くした遺児に奨学金を貸し出すあしなが育英会に定期的に寄付しています。親をなくすと、上記のような自己価値を与えてくれる人を失います。自分は世界で一人きりになったような孤独を感じます。この奨学金を介して、君たちは一人じゃない、微力だけど世の中に一人は君たちを支えようとしているおっさんが居るんだよってことを伝えることができていると私は思っています。

www.ashinaga.org


不幸な経験があった時、私たちは自分がひとりぼっちのような疎外感を感じます。誰にもわかってもらえないような感覚です。しかし、世の中にはそのような人に寄り添ってくれる人たちがいます。

このような人たちによって自分の存在が大切なんだと気づくことがレジリエンスを高めるのかもしれません。日本にもそんなサービスはいろいろあります。

www.nhk.or.jp

④自分のために役立て、他人と分かち合うことができる強みが自分にはある

最後は子どもが自分の強みに気づくことの重要性をしさしています。子どもに自分の強みを気づかせることが、トラウマ後の立ち直りのカギを握ることがわかっています。

例えば音楽が自分の強みだと気付いて、それが自分を支えてくれて立ち直れた子供の例が紹介されています。
サンドバーグさんの子供たちは父親を亡くして時には寂しさを感じながらも、サンドバーグさんが驚くほど強く成長できたようです。
幼くして父親を亡くしても立派に成長している人はたくさんいます。そのような人からレジリエンスを学ぶことが出来ます。

次回:第8章 一緒に強くなる

OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び

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