ポジティブ心理学 その1
ポジティブ心理学について学んだことをまとめます。
ポジティブ心理学はペンシルベニア大学のマーティン・セリグマン博士が提唱した心理学です。
まずはセリグマン先生がポジティブ心理学に行き着くまでの軌跡を追ってみます。
【学習性無力感】
セリグマン先生はポジティブ心理学に行き着く前に、
学習性無力感の発見で研究者としての頭角を現します。
学習性無力感とは何かをみてみましょう。
2匹の犬を実験ゲージに入れておきます。
両方の犬に床から電気ショックを与えます。
片方の犬は隣の床に移動して電気ショックを避けることができます。
もう片方の犬は動くことができなくしてあり、電気ショックから逃れることができません。
何度も電気ショックを繰り返すと「逃げられる群」の犬は電気ショックから逃げます。
「逃げられない群」の犬は電気ショックから逃れようとする努力を辞めて座ったまま電気ショックを受けます。
「逃げられない群」の犬は自由に移動できるゲージに入れてももう電気ショックから逃れようとしません。
逃げようと思えば逃げられるのに。
この現象を見てセリグマン先生は、これは犬が無気力さを学習したんだと考えました。
当時は無気力さが学習されるなんて考えがなかったので、いろんな反論を受けます。
セリグマン先生はそんな反論に負けずに、この仮説を検証するためにいろんな実験をして見て、
やっぱり犬が無気力さを学習していることを証明します。
で、この現象は人にも当てはまるのでは?と考えました。
うつ病になる人はこの犬と同じ状態、自分ではどうにも出来ないストレスに晒されて、
何をやっても逃れられないという状態になっているのでは?と考えました。
【 人への実験】
セリグマン先生の論文を読んで人に実験しだした人たちが出てきます。
被験者を一つの部屋に入れます。部屋の中には大きな音が流れていて不快です。
被験者の前にはパネルがあってあるパターンでボタンを押すと音が止まります。
「音楽止められる群」の被験者はパターンを見つけて音楽を止めることができます。
「音楽止められない群」の被験者は、最初から止められるようにプログラムされいないので、
いくらパネルのボタンを押しても音楽が止まりません。
その後、2つの被験者たちを別の部屋に移動させます。そこでも不快な音が流れています。
あることをすると不快な音が止まる仕組みになっています。
「音楽止められる群」で実験をした人は、いろんな方法をためして不快な音を止める方法を見つけ出しますが、
「音楽止められない群」で実験した人は、何も行動せずに不快な音が流れるままにしていました。
このような実験で人も無力感を学習することが証明され行きます。
この実験でもう一つのことがわかりました。
一定の確率でどんな状況に置かれても無気力さを学習しない人たちがいたのです。
この発見がポジティブ心理学に発展して行きます。
次回:【無気力にならない人たちの特徴とは?】