ポジティブ心理学の勉強 オプションBでレジリエンスを学ぶ 第5章
第5章 逆境をバネに成長する
子どもを亡くした親、性暴力・虐待の被害者、難民や戦争捕虜、事故や自然災害を生き延びた人たち、重症・重病の経験者など様々なトラウマを抱えた人たちを対象にした調査があります。この人たちの多くは、不安やうつの症状に悩まされますが、このようなネガティブな感情と並行して、なんらかのポジティブな変化が見られました。
トラウマを乗り越えて、ポジティブな変化を実感する人が半数以上いることがわかっています。
トラウマ後の成長は5つの形態をとります。
「人間としての強さを自覚する」
「感謝を深める」
「他社との関係を深める」
「人生により多くの意味を見出す」
「新たな可能性を見出す」
この5つの形態について、本の中でいろいろな事例の紹介がされています。
しかし私は、どんな事例よりシェリルさんの姿がこの5つの形態を表していると思います。
夫を亡くした悲しみから徐々に立ち直り(人間としての強さを自覚する)、
以前は普通だったこと、例えば子供たちが父親の死に負けず日常を過ごしていることに感謝をすることができ(感謝を深める)、
Facebook上で大事な人を亡くした人のコミュニティを立ち上げ(他社との関係を深める)、
Facebookがこのように人々の悲しみを癒せることを気づいてFacebookのCOOとしてより仕事にコミットして(人生により多くの意味を見出す)、
この本を執筆することでトラウマや悲しみに苦しんでいる人の回復の道しるべになる(新たな可能性を見出す)。
このように、逆境から回復してゼロに戻るだけではなく、さらにポジティブな変化を起こせるという事実は希望になると思います。
この苦しみには意味がある、起きていることはすべて正しい、こんな言葉を心から信じることが出来るようになります。
次回:第6章